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| 横手 | 最初は僕が当時使っていたシザーをもとに、いろんなリクエストをしたんですよね。 |
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| 島 | 正直言って、横手さんのシザーって、すごく難しかったんですよ。 |
| 横手 | とにかくまず、大きさね。僕の使っているシザーって、大きめだから。それから親指を奥まで入れるから、指を入れる位置ですね。そういうものがまず、自分の手に合うかどうか。そこがすごく大事なポイントになりますよね。 |
| 島 | ハンドル部分が非常に長いんです。非常にテコ比が働くシザーなんですよね。一般の方が使うには、すごく難しい。うちには全くないモデルでした。でも、この長さというのは、横手さんの強いこだわりだったので、横手さんのために一から開発したんです。 |
| 横手 | もともと僕が美容を始めた頃っていうのは、ミニシザーズ時代だったんですよね。 |
| 島 | 5インチくらい? |
| 横手 | そうですね、3,5もありました。それで、スライスを細かくとって切っていくというのが、僕がカットを始めた時の主流だったんです。でもやっぱり仕事をしていく間に、どうしてもたくさんのお客様をやらなくちゃいけない状況になってきまして。もっと速く、正確に切るためにはどうしたらいいかっていうことを考えて。そうすると、シザーをもうちょっと大きくして、しかも厚切りができるものがほしくなったんです。要するに、毛束の厚みを厚くとっても逃げずに切れるシザーが必要になってきて。で、結局今の大きさになった。どうしても長いことこの仕事をやっていると、腱鞘炎になりやすいですよね。手に負担を少なく、しかも自分のヘアスタイルが切りやすい、ということでビッグシザーズになったんです。 |
| 島 | 一番難しかったのは、重量がどうしても重くなってしまうこと。だからとにかく軽く、軽くということですね。でも、軽くするとやはり刃の強度の問題が出てくるので。長く使っていただきたいですからね。軽くする中で、強度をどうあげていくのかというのが課題でした。 |
| 横手 | 軽い方が仕事をしやすいし、安定感が出るんですよね。まず、できるだけ軽くしてほしいということと、それから厚切りをした時に髪が逃げないということ。そして僕の場合は親指を奥まで入れちゃうんで、このリングの大きさですね、ここが中まで入るものが欲しかったんで、そこまでお願いしましたね。 |
| 島 | 横手さんがおっしゃるには、「優雅に切りたい」ということだったんです。「優雅に」というのは、手へのフィット感がないといけない。だからリングの大きさは何度もチェックしていただきましたね。 |
| 横手 | セニングについてもいろんな注文を出しましたよね。一つは、たくさん量がとれること。できるだけ短時間の間に毛量をとってあげたいっていうことがまず一つ。それからやっぱりラインが入りやすいのは困るからラインが入りづらいこと。それから抜けがいい。つまり引っ掛かりがないこと。この3つなんですよ。たくさん落ちてラインが出なくて、抜けがいい。この3つを1つのセニングで作るって、たぶん相当大変なことだと思う。そういうセニングをずっと探してたんですが、なかなか巡り会えなくって。まあ、まずはありえない、作れないだろうって思っていたんですけれども。 |
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| 島 | その3つを両立するために、すごく考えました。それで、考え方をかえて「櫛刃」と呼ばれている先端の「V」のところ、通常ここで髪の毛を挟み込むんですが、こちらの刃を潰そうと。じゃあどこで切るのっていうと、先端部分で。要はギロチンのように、入れて押さえ込んでいくと切れちゃうという考え方に変えたんです。この先端が特殊でして。今までのセニングの考え方と全然違いますよね。今では他メーカーさんも同じようなモデルを最近どんどん出してこられましたけれども。 |
| 横手 | 今までに全くないセニングだったよね。画期的だった。すぐ真似されましたけどね(笑)。 |
| 島 | でもシザー業界全体がよくなっていくことが大事なことなんで。横手さんのおっしゃるような希望って、いろんなエンジニアの皆さんが悩んで考えていたことだと思うんです。それをまずうちが解決できたっていうのは非常に嬉しかった。 |
| 横手 | 仕事の効率があがりましたよね。以前は髪の毛の面を綺麗にするために、クリーンカットって言ってたんですけれども、パサつきを綺麗にとってあげる作業が非常に楽になりました。相当考えて作ってもらったな、と思いましたよ。 |